男と女の会話のすれ違い。その最も大きな原因は、男は「相手の感情や気持ちを察するのが致命的に苦手」で、女は「そのことをわかっていない」という点にあるようです。
女性は元々、人の顔色を察することが得意です。太古の昔から、女性は物言わぬ赤ちゃんの顔色を見て、健康状態を直ぐに察知してきました。
相手の顔色をうかがい、胸の内を察することにかけて、男性は女性に圧倒的に水をあけられているそうです。ところが、女性は察することが得意な反面、「言葉でキチンと説明する」ことをはしょってしまいがちだというのです。
1)男女の性差会話編1
①男は察しない、女は説明しない
例えば、女性同士の会話で、「(外が)ずいぶん暗くなって来たわね」と言ったら、相手はその言葉の裏にある意味を察して、「あらほんと、じゃぁそろそろお開きにしましょうか」と言ってくれます。
しかし、男性相手にこれをしても、「外が暗い」という事実しか受け止めないので、「ああそうだね、(それがどうした?)」などと言われてしまうわけです。
女性からしたら、「そうじゃない、そろそろ帰りたいという意味だったのに…」と思う所でしょうが、男性からしたら、「だったらちゃんと説明してよ」と困惑することになるのです。
こんなすれ違いをなくすためには、男性は「女性はテレパシーで会話したがるエスパーなのだ」という認識を十分に持ったうえで、なんとか言葉の裏の意図を探りましょう。
残念ながら、その努力は大抵失敗に終わるのですが、「察しようと」としさえすれば、その頑張りを、彼女たちは「察して」くれるのだと言います。
例えば、休日にいつまでも夫がゲーム三昧で妻は腹が立ったとします。そんなとき女性は「今日久々の休日なんだけどさ~」というように、真意が伝わらない言い方をしがちです。
そんなときは「久々の休日だから一緒に買い物行こうよ、3時過ぎに家を出るのはどう?」という言い方をすれば、自分の真意が伝わり、夫の賛同も得られるのです。
②男は結論を出したい、女はただ話したい
多くの男が、「女はどうして話が長いんだろう」「で、結局何が言いたいの?」と感じているそうです。これは男が「会話は結論を出すためにするもの」と考えているからなんですって。
求められていないのに、勝手にアドバイスしたがるのも、「会話には結論や解決策がなければいけない」と思い込んでいるからなんだそうです。
そんな男性たちは、職場やプレゼンなどで、「議論を重ねて決断をくだした」り「説得して契約を勝ち取ったり」といったはっきりした目的があるので、ゴールに向かいやすく、こういう展開を男性は好むのです。
一方女にとっては、「会話を楽しむこと」自体が会話の目的です。カフェやレストランで「そういえばこんなことがあってさ~」「へぇ~」「そういえば私もこの間…」などと、他愛もない会話を何時間も平気で続けてしまいがちな女性たちだったりするのです。
ビジネスの場面では特に、結論から話すことを意識して、結論を伝えた後なら、「気付いたこと」「感じたこと」を話しても、受け入れて貰いやすくなることを心得ておきましょう。
③男は情報を交換する、女は感情を交換する
こういった会話に対する姿勢の違いが、男女のすれ違いを生むことが多くあります。ある有能な経営者のケースです。
先日、ある女性社員が取引先とのミーティング報告を上げてこないので、そのことを催促したそうです。すると「ボスがお忙しそうだったので、話しかけられませんでした」と言われ、唖然としたそうです。
気を取り直して「私が忙しいかどうかは自分で決める。勝手に判断しないでちゃんと話しかけてこい」と言うと、彼女は「そんな、私のこと嫌いなんですか?」と顔を曇らせたそうで、再度唖然としたそうです。
「会話とは、情報を交換し結論を出すための場」と考えている男性経営者に対して、女性社員は「会話とは、お互いを気遣いながら気持ちをやり取りする場」と考えてしまっているわけです。
一般的にビジネスの場では、論理的な会話が求められ、結論をシンプルに話すことが好ましいとされています。どうしても、気持ちを伝えてしまいがちな女性は、まずは結論を伝えてから、次にどう感じたかをいう、という順番を心掛けると良さそうです。
一方男性は、女性が会話において必ずしも結論を求めていないことを知りましょう。大切な仕事の会話でなければ、むやみに結論や理由を要求しないことを心掛けましょう。
特に「大変だった」「困った」などと感情をぶつけられたときには、そのまま受け止めて、辛抱強く最後まで話を聞くことを心掛けてみてくださいね。
受け止めきれず、困ったときは、「大変だった」→「大変だったんだね」「悲しかった」→「悲しかったんだね」とオウム返しでも有効です。
④男は序列を重んじる、女は調和を重んじる
男の子は小さい頃からスポーツ、特に集団で勝ち負けを争う野球やサッカーに慣れ親しみながら成長します。
例えば野球において、全ての最終決定権は監督にあります。監督が「バントしろ」と言えば絶対にバントです。そのサインを無視して、「打ちたくなったんで、打っちゃいました」という個人の勝手は許されません。
言われた通り、1番は1番の仕事、4番は4番の仕事をするのが正しいし、カッコいいことだと教えられて育ってきたのです。ですから男性は、ビジネスの場で求められがちな上下関係に比較的あっさりなじむことができるのだと言います。
一方で女の子の遊びの定番といえば「ままごと」や「ごっこ遊び」です。ままごとには勝ち負けはなく、ゴールもありません。「みんなで仲よく遊ぶ」ことが目的です。役割分担も明確ではなく、「とにかく和気あいあいとした空気を作って、壊さないこと」を大切にします。
彼女たちにとって大切なことは、「和」を乱さない配慮。つまり協調性です。そのためには相手の顔色をうかがい、気持ちを察することが欠かせないのです。
こうした男女の違いは、太古の昔男性が狩りに出かけ、女性が料理と育児を担当していたときから育まれた、「生きるための知恵」とも言えるのです。
男性たちは、狩りに出ているときにリーダーの言うことを聞かなければ、負傷したり遭難したりするリスクが高まります。良くも悪くも、リーダーの命令は絶対なのです。
一方、赤ちゃんの命と家族の食事を預かる女性たちは、お互いに協力して支え合う必要があります。その場で仲間外れになることは、自分と家族の命を危険にさらすことにつながるため、だからこそ女性は横のつながりを大事にするのだと言われています。
⑤男は緊張する、女は打ち解ける
このように、縦社会になじんだ男性と、横社会に親しんだ女性では、対人関係の築き方に違いがあるのです。例えば初対面の人たちが集まるパーティーや寄合の場では、男性同士はお互いの年齢や肩書きがわからないうちは居心地が悪く、ソワソワしてしまうのだと言います。
お互いの年齢がはっきりし序列が明確になって、上下関係が見えて初めて、安心してコミュニケーションを開始でき、ビールを注ぎ合ったり談笑したりできるようになるそうです。
一方初対面の女性同士は、年齢に関係なくすぐに打ち解けて話を始められます。あっという間に共通の話題を見つけ「あー、私もそこ行ったことあるわ~」とか「あそこ、いい所だよね~」などと意気投合して、和気あいあいの場面になるのです。
縦社会に生きる男性にとって重要なのは「上か下か」。横社会に生きる女性にとって重要なのは「周囲との絆」なのです。なので、このことをちょっと意識するだけで、モメることなく会話を展開することができるのです。
女性の社会進出が進み、女性たちも縦社会文化に対応する必要に迫られてきています。学生時代に体育会系の部活に取り組んできた女性などは、縦社会と横社会の両方に強い存在だといいます。
男女を問わず、これからの社会で目指すべきはこういった思考で、「野球」的な上下関係にも、「ままごと」的な調和にも、シーンによって対応できる柔軟さを持ち合わせたいものですね。
おわりに
男は察しない、女は説明しない:男は気が回らないのです。だから遠回しに、回りくどい言い方では、女性の真意は伝わらないのです。
男は結論を出したい、女はただ話したい:男女で会話に対する意義が、これほど違うのです、双方の特性を理解しておきましょう。
男は情報を交換する、女は感情を交換する:女性は男性が求める会話の傾向を把握して、情報を交換し結論を出すことを心掛けましょう。男性は:女性の特性を誓いして、感情的な会話を受け止める努力か、オウム返しでちゃんと共感したことを伝えましょう。
男は序列を重んじる、女は調和を重んじる:男女の違いは、太古の昔男性が狩りに出かけ、女性が料理と育児を担当していたときから育まれた、「生きるための知恵」なのです。その特性を理解しておきましょう。
男は緊張する、女は打ち解ける:縦社会に生きる男性にとって重要なのは「上か下か」で、横社会に生きる女性にとって重要なのは「周囲との絆」が重要なのです。育ってきた環境の違いから、備わってしまった習性なのです。
男女双方の立場や、環境や、境遇から備わってしまった特性を双方が理解して、長引く諍いにならないように、考えて会話できた方が絶対的に有効ですので、ご参考になれば幸いです。
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