もっと好かれる心理学2

女性心理

前回のお話で、人は「共通点がある人」「類似点がある人」「近くにいる人」を好きになりやすいというお話をしました。

だから、ただ何となく「素敵な人だな」と、何の準備もなく接近しても、恋愛のきっかけさえつかめないということが起こりがちな訳です。ウマの合う、自分と似たものカップルの方が、長続きしやすいと言うのも、納得できるお話ですよね。

惚れさせる心理学

不安になると好きになる

一人の女子学生の不安や恐怖をかきたてたら、その後、その女子学生はどんな行動をとるかを調べるために、ある実験をしたそうです。

「これから電気ショックの実験をします。場合によっては痛みがあったり、傷ついたりするかもしれません。」と前もって脅し、女子学生の不安を高めます。そうして30分後に実験をするので、控室で待機するように指示します。

控室は二部屋あります。一つの部屋は、女子学生と同じ実験を受けるために、待機している人がいます。もう一つは誰もいない部屋ですから、女子学生は一人で待機することになります。

その時、女子学生はどちらの部屋を選ぶのか?結果は、圧倒的に自分と同じ実験を受ける人と二人で待機する部屋を希望したそうです。

不安や恐怖を感じる状況に置かれた人は、できるだけ自分と同じ境遇の人と一緒にいたがります。そうすることで、心の安定を保とうとするのだと言います。これを「親和欲求」といい、不安なとき、人は誰かと一緒にいたがるものなのだそうです。

「惚れっぽい人」というのは、日常的に恐怖心や不安にとらわれやすく、外見では余裕があるように見えても、内心は心配だらけで、いつも誰かと一緒にいることで、どうにか心の安定状態を保つことができていると言われています。

身内の者、特に一家の大黒柱と言われている父親を亡くしたりすると、その直後は誰でも、非常に不安定な心理状態になりやすいです。そして、本来なら哀しみと不安で恋愛どころの話ではないですよね。

ところが、こんなときは、心の状態としては、とても惚れっぽくなっていることも事実なのだと言います。この時期、特に親しくなりやすいのは、「私も実は、父親を亡くしたのです」という自分と同じ境遇の相手に惹かれやすくなっているということです。

恐怖感をもった時、人は誰かと一緒にいたいと言う「親和欲求」が強くなります。それも、できるだけ自分と似た立場の人と一緒にいて、自分の不安を静めたいと思うのです。

同郷の人同士が仲良くなりやすいのも、同じ理由からで、もしもあなたの好きな相手が、不安や恐怖に苦しんでいるときは、そのよき理解者になり、一緒にいてあげましょう。

自信がない時こそ恋のチャンス

失恋して、死ぬの生きるのと大騒ぎした女性が、半年も経たないうちに別の男性との結婚披露宴の招待状を送ってくることがあります。過去のことなどすっかり忘れた様子で、とても幸せそうです。周囲は祝福しつつも、変わり身の早さに驚くばかり・・・・こんな女性の心理メカニズムを解き明かす実験をしたそうです。

被験者の女性に「性格テスト」や「能力テスト」をおこない、ある女性にはこのように伝えます。

「テストの結果を見ると、申し上げにくいですが、あなたは普通の人に比べて、能力的に著しく低いようです。性格的にも、人に好かれる要素はなかなか見つかりません」

一方別の女性には、「あなたは普通の人に比べると、能力的に高く、性格的にも人に好かれる要素が多いと言う結果です」と伝えます。

二人の女性はそれぞれの控室で待機するよう指示を受けます。しばらくして、サクラの男性が控室を訪ね、「ボクもテストを受けるために来ている」などと話しかけコミュニケーションをもちます。そして一定時間後、この男性は、「テストが終わったら食事に行こう」と女性をデートに誘います。男性はごく平均的な容姿の持ち主です。

結果、テストが悪いと伝えられ、自己評価を下げている女性はデートに応じる率が高くなり、テストがよかったと伝えられ、自己評価を上げている女性はデートを拒否する率が高くなったということです。

自己評価を低められた女性は、自分が求める理想の男性像の水準をも下げていたと言えるそうです。一方、自己評価を高められている女性は、さしてイケメンでもない男性からのお誘いは拒否をしていて、普段よりワンランク上の男性に目が向いている状態になるのだと言います。

失恋後半年と経たないうちに別の男性との結婚を決意する女性の心理的要因は、自己評価の低さにあります。失恋直後は、自分には魅力がないという意識が支配的です。この時期に新しい恋愛をしようなどとはとても思えないはずです。

ところが、現実には、自己評価が下がっているときこそ、新しい恋が生まれやすいのだと言います。理由は自己評価が下がることにより、相対的に異性への評価が上がることです。自分に自信がないからこそ、相手が魅力的に見えてくる。つまり、男性からのプロポーズを受け入れやすい心理状態になっていたという訳なんですね。この心理効果は逆の立場になったときは大いに利用、活用できます。

もしも意中の相手が、仕事で失敗したり、上司に怒鳴られた直後などは、かなり自己評価が下がっているはずです。相手には気の毒ですが、あなたにとっては恋愛のチャンスです。自己評価の下がった相手の心理は、親和欲求で占められているので、この時期に積極的に働きかければ、成功率は高いはずだと言いますので、覚えておいてくださいね。

価値観が似ている人を好きになる

令和の現代は、価値観の多様化した時代と言えます。何に価値を置くかは、人それぞれです。似た者同士が惹かれ合う「類似性の法則」はこの価値観にも通じるのだと言いますよ。

ライフスタイルはその人の価値観を端的に示すものです。休日を利用して、絵画鑑賞する人と、草野球をする人とは、価値観が類似しているとはいいがたいです。同様に、休日に家でゴロゴロとテレビを観ている人と、登山を楽しむ人とは、人生の価値観が全然違います。

人と人とが安定した関係で付き合える条件は、価値観の類似です。アメリカの研究では、安定した関係を維持している夫婦は教育、宗教、経済、政治などの問題に対して、かなり類似した態度をとっているそうです。また趣味や時間の使い方、問題処理の方法についても基本的な考えは同じだということです。

性格の似た者同士がいいのか、それとも性格が反対同士の方がいいのかという議論はよく行われると言いますが、基本的に似た者同士のカップルであれば、全く問題はない筈ですが、性格的には「相補的」な部分があれば、より良いカップルになると言われています。

例えば、男性が支配的ならば、女性は従属的、あるいは、女性が相手の面倒を見るタイプならば、男性は世話をやかれるのが好きといった、基本的性格の相補的な関係が、より良い安定をもたらすのだと言います。

性格の相補性以外については、二人の価値観に類似部分が多い方が安定した関係のカップルになりやすく、結婚しても、バランスの取れたいい夫婦になる可能性も高いと言います。

似た者夫婦が長続きする

夫婦が銀婚式(結婚して二十五年目)を挙げる頃、新婚当初と比べてどのような変貌を遂げるのか、夫婦の行く末を想像すると、とても興味深いものです。似た者同士は、似た者夫婦になり、銀婚式のころにはますます似た者夫婦になっていると言われています。

こんな実験があったそうです。新婚夫婦の顔写真を男女別に数十枚集めます。一方で、銀婚式を迎える頃の顔写真を同じように数十枚集めます。そうして、どの男女が夫婦であるかを当てさせるという実験です。

この夫婦当て実験では、新婚の夫婦より、銀婚式を迎えた夫婦の方が当たる確率が高くなったそうです。特に「幸せな結婚生活」を送っている夫婦ほど、この確率は高くなったと言うのです。顔写真だけで判断しても、銀婚式を迎えた夫婦はお互いに似ていると言います。これに表情や雰囲気をも判断基準にすれば、当たる確率はますます高くなるそうです。

結婚は、二人が折り合いをつけながら生活することです。価値観の相違を調整して生活パターンが出来上がる。そうしてお互いに馴染んで、行くことが一般的な夫婦の進化の方法です。夫婦には、長年培ってきた二人だけの共通認識が多くあるはずです。また、お互いに日々、折れ合ったり影響し合ったりしているのですから、ますます似てきます。

お互いに似ることで、夫婦関係は安定するのです。夫婦が年を重ねるほどに似てくるのは、必然と言ってもいいのかも知れません。似ていることは、夫婦がいい関係を維持する大きな要素です。また、恋愛においても、類似性は愛情が深まる大きな要素なのだと言いますよ。

おわりに

恐怖感や不安感をもったとき、人は誰かと一緒にいたいと言う「親和欲求」が強くなるものなのです。それも、できるだけ自分と似た立場の人と一緒にいて、自分の不安を静めたいと思うのだと言います。

自己評価の下がった相手の心理は、親和欲求で占められているので、その時期に積極的に働きかければ、成功率は高いはずだと言いますので、そんなときには活用してみてください。

人は、価値観が似ている人を好きになりやすいものです、似た者同士のカップルであれば、性格的には「相補的」な部分があれば、より良いカップルになると言います。

似た者夫婦が長続きするというデータがあるそうです。結婚して折り合いをつけながら影響し合いながら、生活している内に、自然と夫婦は似てきて、似てくることで夫婦関係は安定するのだそうです。そんな恋愛心理ですが、あなたのお幸せをお祈りいたします。

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